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【すぐに書ける!】5W2Hで事業のアイデアを具体化させよう

こんにちは!株式会社ESCCAのインターン生・ねんねんです。

 先日は「アイデアの探し方」を皆さんと共有させていただきました。皆さんも、「これをやりたい!」と思えるようなアイデアに出会えましたでしょうか?
 まだひらめいていない…という方も大丈夫!アイデアはアンテナを広く張っていけば、ふとした瞬間に降ってくるものです。様々な情報に触れていくことで、興味がある事業や、解決の余地があると思う課題を見つけていきましょう!

 「既にアイデアを見つけたよ!」という方も、引き続き関連分野問わず情報を集めていくことが大事です◎あなたの起業アイデアをより充実させるヒントが、思わぬところに潜んでいるかもしれません!これからも共に頑張っていきましょう✨

 さて、今回は「起業アイデアを思いついた」その後に、なにをすればいいのかについてお話させていただきます。どんなこともそうですが、アイデアだけでは、物事は運びませんよね…。肝心なのはその後!「アイデア」から「実行」に移す段階です。そのはじめの一歩が、「事業計画書作り」です。
 一気に難しくなった…、と思われるかもしれません。たしかに漢字ばかりでお堅いイメージがありますよね。けれどこの事業計画書、実は完成させると、夢へとグッと近づくんです!

目次

そもそも事業計画書ってなぜ必要なの?

 よく、「融資や出資を受けるためには事業計画書が必要」という話を聞くかと思います。たしかに、銀行や出資者の方にとって、事業計画書は「お金を貸せるか貸せないか」を判断する大事なもの。しかし、それだけではありません!事業計画書は、「資金支援を受けるため」以外にも、「事業内容をよりクリアにする」という大切な役割を持っています。

 起業アイデアを頭のなかで考えているときは、ついつい「こんなこともできたらいいな」、「あんなことも解決出来たらな」と、色々な要素を盛り込みがちですよね。しかし、頭のなかでひらめいたときには、「なんて素晴らしいアイデアなんだ!」と思っていたものでも、よくよく考えてみたら、辻褄が合わなかったり(予想より費用がかかるetc)、そもそも実現が難しい事業内容になってしまっている可能性も…。

 計画書の作成は、そんなこんがらがってしまったアイデアを整理し、一貫性のある事業内容にするためにとても役立ちます。アイデアを文字におこすことで、「これは実現可能だろうか?」と、自分の事業内容を客観視できたり、「事業を興すために、今から何をすべきだろう?」と、事業化に向けて踏むべきステップを明確にすることができるのです。まさに一石二鳥ですよね!

 「けれど、事業計画書って難しそうだし、書くのが面倒…」

そんな方もいらっしゃるかと思います。たしかに、ネット上で「事業計画書 作成例」と調べると、細かい項目がたくさん連なったテンプレートが出てきたりして、「こんなに書くのかあ…」と、正直尻込みしてしまいますよね。

 もちろん、最終的には細かい点もちゃんと考え、計画書を仕上げていく必要はあるのですが、最初から完璧を目指す必要はありません!

 正式に「人に見せる用」の事業計画書を書く前に、今回は「これさえ押さえておけばOK」な項目を、皆さんにシェアしていきます!ズバリ・5W2Hの法則です。

画像:PAKUTASOより引用

これさえ網羅すれば大丈夫! 5W2Hで事業内容をクリアにしよう

 中学の英語の授業で、頻繁に出てきた「5W1H」。実はこれをちょっと応用するだけで、ビジネスで使える法則になるのはご存じでしたか?

 ズバリ、皆さんが知っている「5W1H」に、もう一つのHである「HOW MUCH」を付け加えた、「5W2Hの法則」というものです。この図のなかにある要素をすべて考えつくせば、簡易的な事業計画書が作成できる!というミラクルアイテムなのだそう。では、具体的にこの法則に則って何を考えるべきなのか?それを今からお伝えします!

WHAT「どんな事業がしたいのか」

 今の時点で思い描ける範囲で良いので、できる限り具体的に書いていきましょう。

 例えば、「喫茶店」をやりたい場合、「海が見える場所で」だったり、「地元野菜を使って」だったり。そこにはどんな空間が広がっていて、どんな会話が繰り広げられていそうか、など。

 テキストで書き出す方法もあれば、イラストを描いてみたり、イメージに合う写真を探したりするのも良いかもしれません。とにかく表現していくことで、事業内容が少しずつクリアになっていきます。

WHY「なぜその事業がしたいのか」

 事業を興すにあたって、意外と重要なのが「なぜ」の部分です。自分の中で目的意識がはっきりしていると、たとえ困難にぶち当たっても、初心を忘れず、描いた方向性に向かって突き進むことができます。

 例えば、「地元野菜を使った喫茶店」は、なぜ「地元野菜」にこだわるのかを考えた時、それは「地元野菜の魅力や可能性を、地元民や観光客に伝えたいから」かもしれません。だとしたら、たとえ後になって、「安い食材を域外から提供するよ!」とコストダウンの提案をされたとしても、「地元野菜の魅力発信」というミッションがある限りは、安易なコストダウンに舵を切ることはないでしょう。このように、「なぜ」がはっきりしていれば、短期的利益に目がくらむことなく事業を進めていけるのです!

WHO「誰に向けて・誰が事業を進めていくのか」

 あなたは、「誰に」つまり「どんな消費者に」向けて、商品・サービスを提供していきたいのでしょうか?喫茶店の場合、「地元民」だったり「観光客」だったりが消費者にあたります。それぞれ違うターゲットごとに、「この消費者は、どんなことを求めていて、どのようなサービスが刺さるのだろう」と考えることが、事業内容を膨らませることに繋がるかと思います!

 また、それは自分一人で成し遂げられるものでしょうか?それとも、仲間と共に推し進めていくものでしょうか?「誰が」の部分では、事業を興すにあたって必要な人手をはっきりさせていきましょう。起業に必要な人材が不足している!と感じたら、仲間を探しに起業のプラットフォームに参加し、メンバーを募集する必要があります。「地元野菜を使った喫茶店」のオープンには、喫茶店の料理人やスタッフのみならず、地元野菜を提供してくれる提携農家さんも探さなければなりません。どんなスキルを持った人が、どれほど必要なのか、それをこの項目でしっかりと考えていきましょう!

WHEN「いつから事業を始めていくのか」

 いつはじめるのか、というのも重要な問題です。ここでは、起業に向けた具体的なスケジュールを立てていきましょう!喫茶店の場合、繁忙期にオープンすると現場が混乱するのは目に見えているので、開業日や開業に向けての準備スケジュールは、そこから逆算していく必要があります。12月から1月にかけてはクリスマス、お正月とたくさんの大型行事があるので、そこを繁忙期と考えると、それより前の9月~10月にオープンするのがベストだそうです。この「いつから」の部分では、実際の起業時期もそうですが、資金調達や仲間集め、事務所確保といった必要な手続きをだいたいいつまでに終わらせるか、その目標を建てておくと良いでしょう!

WHERE「どこで事業をするのか」

 事業をどこでやるのか、というのも、起業する業種によってはとても重要な問題です。喫茶店であれば、費用や集客に大きく影響する立地は、きっとこだわりたい部分であると思います。「駅から近い場所がいい」だったり、「提携農家さんの食材が、鮮度抜群な状態で届く場所がいい」だったりと、色々とこだわりポイントがあると思うので、そのこだわりポイントを一度整理して(順位をつけるのもアリかと!)、「どんな場所で店を構えたいか」という具体的な軸を決めていきましょう。のちのち、物件を探す際に役立っていくはずです!

HOW MUCH「事業を興すにはどれほどの資金がいるのか」

 ここでは、事業を進めるにあたってだいたい必要な資金を書き留めていきましょう。必要資金がわかれば、起業準備のゴールが見えたことになり、大きな一歩を踏み出すこと間違いなしです。起業したい業種によって、ざっくりとした金額がわかるものもあれば、ネットで調べるだけでは算出できないものもあると思うので、その場合はコンサルタントなど、専門家に見積りを聞いてみましょう!

HOW「どうやって事業をしていくのか」

 実は、5W2Hの法則で、一番難しいのがこの項目。「どうやって」の部分です。この問題は多方面に応用可能で、例えば「WHY」で聞かれた事業内容をどう現実に落とし込んでいくのかだったり、「WHO」で聞かれた起業メンバーや提携先をどう見つけていくのかだったり、「WHERE」で聞かれた物件をどう確保していくかだったり、「HOW MUCH」で聞かれた費用をどんな方法で集めるかと、「理想を実行に移す方法」について聞いています。ですので、この項目では、今まで書いてきたすべての項目を、それぞれどうすれば実現できるのか、その現実的な方法を項目ごとに書いていきましょう!(ちなみに、資金調達は自己資金だけでなく、融資や補助金といった制度を利用する方法も存在します。南三陸でも起業の補助金制度が整っていますので、詳しくは今後の資金調達関連の記事をご覧ください!)

 この「HOW」の部分を充実させることができれば、完璧とまではいかなくても、しっかりとした事業計画書ができあがるはずです。実は私も、大学の時に漠然とした起業アイデアがあったのですが、なかなかまとまらずに悩んでいました。けれど大学院でこの5W2Hの法則に触れて、実際に書いてみたことで、今まで靄がかかっていた部分が一気にクリアになったのです。事業を始める上で、今すべきこと、一年後、三年後に達成すべき目標なども、計画書を書くことで段々と見えてきた気がします。皆さんも是非、この5W2Hの法則を参考に、事業計画書を書いてみましょう!

INTERN’S SPEAK!

 実は私、昔小説家を志していた時があったんです。

「急に何を言い出すんだこいつは」と思われるかもしれませんが、不思議なことに、今回の記事を執筆するのにあたり、その頃のことが思い起こされたのです。そこでふと思いました。「起業って小説を書くのに似てるなあ」と。私は今まで、いくつもの作品を書いてきましたが、完結させたのは一作しかありません。しかもかなり唐突に終わってます。ほかの作品に至っては、完結どころか一章すら書き終えずに、ネットの海に放り投げてしまったものばかり。

 なぜそうなったのだろう、と考えた時、自分は「アイデアの実現」という過程をきちんと踏めなかったのだなと気付きました。誰だって、アイデアを思いついた時はワクワクで満ち溢れるものです。けれど実際に動くときは、ちゃんとした計画がなければ尻すぼみになっていきます。私の小説は、総じて物語の起承転結といった、重要な「計画」を考えもせず、「この設定エモい!」という情熱(?)だけで突き進んでしまったため、ほとんど全てが中途半端で終わってしまいました。情熱をもつことはもちろん大事です。しかし「計画」をきちんと考えていれば、防げていたかもしれない悲劇だったでしょう。「事業計画書」も、きっとそういうものなのだと私は思います。突き詰めて考えることができれば、事業はスムーズにすすむでしょう。逆にいい加減なもので満足してしまえば、後々危ういかもしれません。ここが正念場ということで、ぜひ共に頑張っていきましょう!

まとめ

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました!今回は、簡単な事業計画書を仕上げる「5W2Hの法則」を紹介していきました。「簡単」とは言っていますが、もちろん、これらの項目をすべて考えるためには、調べものをしたり、人に意見を聞いたりと、かなり多くの時間をかけなければなりません。しかし、これを乗り越えれたときにこそ、起業への夢が現実へと近づくのだと、私の大学院の教授(社会学者の鈴木寛先生です。気になる方はぜひググってください!)も仰っていました。起業に「近道」はありません。ぜひ、じっくりと時間をかけて、一つ目の試練である「事業計画書」を練っていきましょう!

この記事のライター / ねんねん

台湾出身。大学在学中に南三陸町を訪れ、「こんなに台湾に友好的な場所があるんだ!」と感動し再訪を決意。現在は日本の大学院に在籍しながら、株式会社ESCCAのインターン生として南三陸町に滞在中。
いつか起業したいと思いつつも、なかなか行動に起こせないのが悩み。